年に1度!夏祭りの夜に現れる浮世絵を見に「絵金祭り」へ行った感想
高知県で行われる「絵金祭り」をご存知でしょうか。
年に一度の夏祭りの夜にだけ現れる、屏風に描かれた浮世絵を楽しむ伝統行事。
今回はそんな珍しい「絵金祭り」について紹介します。
絵金祭りとは
毎年7月の第3週土日に開催されるお祭り。
普段は蔵で保管されている絵師・金蔵(通称:絵金)の屏風絵が、ずらっと軒先に並べられます。
ろうそくの灯りで照らされる浮世絵は、見た者を極彩色の芝居の世界へと引き込みます。
絵金祭りでは20点以上もの作品が並べられます。
ろうそくの灯りでゆらゆら揺れる絵は、今にも動き出すかのよう。
幕末以来、100年以上も続く伝統行事です
絵の展示の他にも
・絵金グッズの販売・屋台・ビアガーデン・ステージイベント
などで賑わいます。
2024年(令和6年)第48回 絵金祭り詳細
絵金とは?
あまり聞きなれない浮世絵師「絵金」。どんな人物だったのでしょうか。
絵金とはどんな人?
幕末に活躍した絵師で、通称「絵金」と呼ばれて親しまれています。
若くして土佐藩家老の御用絵師に選ばれ、大出世しました。
しかし!
その才能を妬む者が、彼が練習で描いた先師の絵を「本物と偽り画商に売りつけた!」とでっち上げ、ニセモノ騒動に陥れました。
要はダマされたのです。
「ニセ絵描き」という汚名をつけられ失脚。
その後は町絵師となりました。
絵金の絵は何がすごいのか
歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを、二つ折りの屏風に描いた独特の方式の浮世絵。
その鮮明な色彩は、100年以上前のものとは思えないほど生々しくも美しく、強烈に視覚に迫ってきます。
絵金の用いる赤は、その鮮烈さから「血赤」と呼ばれ、邪気を祓う魔除けの色とされています。
芝居屏風絵は物語の一部を切り取ったものではなく、ストーリーそのものが描かれています。
この手法は「異時同図法」といい、異なる時間軸を、一つの絵の中に描き込むことを表します。
展示されている作品の一部を紹介します。
「蝶花形名歌島台 小坂部館」
敵対する家に嫁いだ姉妹が、父親をそれぞれ自分の夫の味方に付けようと掴み合いの喧嘩をするシーンがド迫力のタッチで描かれています。
「播州皿屋敷 鉄山下屋敷」
お菊の亡霊が井戸の中で皿を「一枚、二枚…」と数え、「一枚足りない。」と恨めしげな声で語る、皿屋敷の怪異伝説。
その他の芝居絵屏風は、こちらの公式ページでも紹介されています。
実物をろうそくの灯りで見て欲しい!
\現地に行けない方は画集がおすすめ/
絵金祭りへのアクセス・駐車場
高知県 香南市 赤岡町にある「横町通商店街」で行われます。
「絵金蔵」という、絵金の作品を保管・展示している施設があるので、そこをナビの目的地にすれば行けます。
【絵金蔵】
住所 | 高知県香南市赤岡町538 |
TEL | 0887-57-7117 |
開館時間 | 午前9時~午後5時 ※絵金祭り期間は夜間特別拝観で20時まで延長 |
【電車(JR)の場合】
高知駅からJR土讃線で約20分
⇒ごめん駅で「ごめん・なはり線」に乗り換え約20分
⇒「あかおか駅」で下車、徒歩約10分
【車の場合】
・高知市はりまや橋から約40分
・高知龍馬空港から約10分
(タクシー代の目安は約1200円)
・高知自動車道南国ICより約30分
・安芸市内より約30分
駐車場は、近隣のスーパーの敷地や空き地を臨時駐車場として解放しているので、パーキングで困ることはありません。
絵金祭りの楽しみ方
絵金を知らない方でも、一般的な夏祭りとはあまりにも異なるので、絶対に楽しむことができます。
芝居絵屛風に強烈に惹きつけられ、立ちすくんでしまう方を多く見て来ました。
1.語り部さんの話を聞きながら鑑賞
語り部さんが説明してくれる絵もあり、そこに描かれたストーリーを知ることができます。
1枚の絵の中に3つ4つの時系列が同時に描かれているため、説明を聞かないとすぐには理解できないものもあります。
その語り口から、登場人物の心情や行動、時代背景を聞いていると、クライマックスには手に汗握るほどです。
2.屋台で高知グルメを味わう
絵金祭りではかなり多くの屋台が出店しています。
商店街にズラリと並び、ビアガーデンもありました。
たこ焼きやフランクフルトの定番メニューに加え、高知の郷土料理も並んでいます。
こちらは高知・香南のご当地グルメであるニラ塩焼きそば。
ここでしか味わえないご当地グルメが食べられるのも、絵金祭りの醍醐味です!
全て美味しかったです!
絵金祭り付近で高知グルメが食べられるお店はこちらの記事で紹介しています。
地元の人からも愛される郷土料理が食べたいなら、絶対におすすめです。
絵金祭りの注意事項
年に1度だけしか開催されない貴重なイベント。失敗しないための注意事項をまとめました。
雨天中止になることも
野外イベントですので天気は要注意。
小雨なら軒下で展示する場合がありますが、風雨が激しい場合は中止になることもあるようです。
作品を守るためです!
過去2回、訪れた日は小雨が降っていましたが、絵は展示され屋台も営業していました。
雨量によって判断しているようです。
フラッシュ撮影禁止
屏風絵などの展示物は作品保護のためフラッシュ撮影禁止です。
最近のスマホカメラは優秀なので、暗い所だとオートでフラッシュになることがあるので注意しましょう!
帰りの電車の時間に注意
田舎なので電車の本数も少なく、終電の時間も早いです。
周りにホテルや旅館が沢山あるわけではありません。
泊まるなら宿泊先を、帰るなら終電に乗り遅れないよう時間をキッチリ調べておきましょう。
⇒御免・高知方面「あかおか駅」時刻表
当日にどこか探して泊まるのは厳しいです!
21時を過ぎて祭りが終わった後は、居酒屋も閉店します。
お祭り会場の周囲には、田んぼとお寺しかありません。
帰れなくなって、暗闇の中を彷徨う…なんてことにはならないように。
絵金祭り近くのホテル
絵金祭りに最も近く、徒歩でも行けるホテルは「旅館かとり」です。
各旅行サイトでも、絵金祭り近くのホテルを検索することができます。
\絵金祭り会場近くのホテルはこちら/
じゃらん公式:https://www.jalan.net
JTB公式:https://www.jtb.co.jp
絵金祭りみんなの感想
普通の夏祭りとは一風変わった、趣のあるお祭りであることが分かります。
まとめ:絵金祭りは人生で一度は行くべき風情あるお祭り
遠方からでも出向く価値のある、夏の風情たっぷりのお祭りです。
夜にろうそくで照らされる屏風絵は、ゾッとするほど美しくも妖しく、見る者を魅了します。
また、絵馬提灯「義経千本桜」が道を照らす明かりとなっており、こちらも見応えがあります。
大阪・あべのハルカスで「大絵金展」が行われたこともあり、絵金祭りの注目度は年々増しています。
ぜひ一度訪れてみて、絵師金蔵の世界観に没入してくださいね。
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